DOSでも常時接続の恩恵を!

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初めに

ここではいわゆるDOSのPCを常時接続でインターネットへ接続する方法を解説しています。ここでの前提は、lanボードあるいは、PCMCIAのlanカードを利用してでのいわゆる「lan接続」のことだけを解説します。TAをシリアルに接続してと言うようなことは、いっさい解説しません(私もこれよく分からんのです)。そうするとちょっと違う説明になってしまいますし、いまどきそのような環境はこれから導入する人も少ないでしょう。よく「DOSでISDN接続できますか」とか、「ADSL接続または光接続でDOSを利用できますか」と言うことを聞かれますが、DOSでもこれらの接続が可能です。 勘違いしてほしくないことは、ISDNもADSLも、そしてケーブルテレビ、光でもDOSでの常時接続のインターネットは可能です。これらは、インターネットへ接続されている回線が違うだけであって、これらの回線によって、PCの接続環境がいろいろと変化するわけではありません。なにもこれはDOSに限った話ではなく、Windows、UNIXでもまったく同じことです。PCにとって、接続の回線がなんであろうと知ったことではなく、また知る必要もないのです。 パソコンがインターネットへ接続するときは、最近では

パソコン → ハブ → ルータ → 専用のモデム → ADSLや光などの回線 → インターネット

となります。ですから、パソコンにとっては、ルータまでの接続ができていれば、良いのです。くどいですが、インターネットへ接続している回線がなんであるかはパソコンは知らなくて良いのです。回線がなんであるかは、専用モデムが処理すべきことなのです。もういちど言います。パソコンでは、ISDN接続用の方法とか、ADSL用の接続とか言う者はありません。 ですから、このWebをみて、決して「DOSでのADSL接続はできますか」とか、「ISDNで接続していたんだけど、こんどADSLにしたときに、どのようなソフトをDOSにインストールまたは設定したら良いですか」と言うメールを私に送らないで下さい(笑)。

PC/TCPのインストール

 ココでは例として、PC98シリーズにアライドテレシス社のPC/TCP VER6.0を使ってでのDOSのインターネット接続について書きます。 AT互換機の場合でもまったく同じです。 たぶんまだPC/TCPのVER6.0は販売されているとは思いますが、なければYahooオークションなので見つけて下さい。たまに出品されています。PC/TCPにはベーシックきっと、アドバンスきっとの2種類がありますが、ベーシックキットで良いと思います。UNIXサーバとNFSで接続したいひとはアドバンスキットを買って下さい。NFSの説明はここでは必要ないと判断したので書きません(ようするにめんどうなのです)。 NFSをしたいと言う人、NFSの意味が分かっている人は自力でどうにでもなるでしょう。ググって下さい。 また、PC/TCPのパッケージにはCDROM版と、フロッピー版がありますが、CDROM版のほうが良いと思います。なぜならば、CDROM版ではPC98、AT互換機用の両方が入っていますが、フロッピー版では、PC98版、AT互換機版とそれぞれ別売になっています。だからと言って、CDROM版の値段は、2倍になるわけではありません。フロッピー版と同じ値段だと思いました。

前置きが長くなりました。ではインストールです。まず、ここではAドライブの ハードディスクに、Cドライブのフロッピーディスクからインストールするという設定 で行います。また、読み進んで行くとお分かり頂けるのですが、ここでのインストール方法は、アナログモデムを接続するための方法となっています。が心配しないで下さい。これでまずいちどインストールしてから LAN接続の設定に変更します。それは最後に分かります。たいしたことないです。

(1) Cドライブに、DIALUPセットアップディスク#1を入れて、次のように入力する。  C:\INSTALL INTERNET リターン
すると、いろいろなオープニングメッセージが出るので、VDMのレビューモードで 適 当に読んでリターンする。

(2) 「インストール種別」と画面に出て、その下にバージョンアップ、新規(標準構成 ) 、新規(最小構成)の三つの項目が出るので、新規(標準構成)を選ぶ。多分最初は、バー ジョンアップにリバースがかかっているので、カーソルを一つ下げて標準構成を選んで リターン。

(3) 「PCTCPをインストールするディレクトリを指定して下さい」と出て、その下に 、A:\PCTCPというディレクトリが表示される。今はAドライブのハードディスクにイン ストールするので、このままリターン。

(4) 「回線速度の指定」と画面に出て、2400、4800、9600、19200と出るので、カーソ ルを下げて19200を選び、リターン。

(5) 「シリアル番号を入れて下さい」と出るので、番号を入れてリターン。これは S/ N と書かれているもので、1234-1234-1234のようにハイフンで区切って入力する。

(6) 「認証番号を入れて下さい」と出るので、A/Kと書かれた番号をS/Nと同じように 入 力しリターン。

(7) 「パソコンのホスト名を入れて下さい」と出るが、これはなんでもよいので私は 、PC9821V13と入れている。入力してリターン。

(8) 「ユーザ名を入れて下さい」と出るので、これもなんでも良いので、私はユーザI D を入れている。

(9) 「ご使用のモデムを選んで下さい」と出るが、ここでは外付けのモデムを使って い るので、「通常のモデム」を選んでリターン。

(10) 「MS-DOS用接続設定ファイルを作成する」と出るので、「はい」を選んでリター ン。

(11) 「DIALUP接続設定情報を入力して下さい」と出て、カーソルはゲートウエイアドレ ス にあるが、ここは必要ないのでカーソルを一つ下げてドメインネームサーバにあわせて リターン。するとドメインネームサーバアドレスが開くので、xxx.xxx.xxx.xxxと入力し てリターンする。次にカーソルを一つ下げ、ドメインにあわせリターン。ここでドメイ ンを、例えばwatakatsu.comと入力してリターン。漢字コードは、sjis(シフトジス)になって いるのを確認し、カーソルを下げて次の項目へ移動。  上記要領で、ユーザIDおよびパスワード、電話番号を入力し終了を選ぶが、パスワー ドは確認のため、2回入力するようになっている。 また電話番号を入力する際、プッシュ回線だと、ATDT、パルス回線だと、ATDPを 電話番号の前に付けることをお忘れ無く。 例えば、atdt03-1111-1111のようにします。

(12) 「必要なファイルを書き換えます。よろしいですか?」のメッセージが出るので 、「はい」を選んでリターン。

(13) 「フロッピーディスクを交換して下さい」と出るので、フロッピーをPCTCPカー ネルディスク#1に交換してリターン

(14) 「フロッピーディスクを交換して下さい」とまた出るので、PCTCP DOS APPディ スク#1を入れてリターン。

(15) 「フロッピーディスクを交換して下さい」と出るので、PCTCP DOS APPディスク #2を入れてリターン

(16) 「インストールドライブを選択して下さい」と出るのでAを選ぶ。もし、他のド ライブを選びたかったらカーソルで会わせる。

(17) 「フロッピーディスクを、PCTCPセットアップディスク#1に交換して下さい」と 出るので、一番最初に使ったフロッピーディスクを入れ直してリターン。

(18) しばらくハードディスクを書き換えてから、「インストールが終了しました」と 出るので、なにかキーを選んで終了する。

これで、インストールは終わりです。もちろんCDROMからのインストールではこれらのフロッピーの交換などはありません。後は同じです。 ところで、autoexec.batには、
 rem Added by PCTCP Ver6.0 Install Program
SET PCTCP=A:\PCTCP\PCTCP.INI
ppp
pppdrv
 このように書かれていますが、これはアナログモデムを利用してでの設定なので
set pctcp=a:\pctcp\pctcp.ini
のみを残して後は削除して下さい。 また、アナログモデムでの接続のためのインストールでしたので、LAN接続のためのファイルethdrv.exeがa:\pctcp\にコピーされていません。フロッピーでは確か4枚目にこのファイルがあるはずなので、これをa:\pctcpにコピーして下さい。これで、必要なファイルは全てインストールされました。

さて、PC/TCPでは、a:\pctcp\pctcp.iniと言うテキストファイルに、設定を書き込みます。LAN接続なので、このファイルに自分のPCのIPアドレス、ルータのアドレスを書き加えます。pctcp.iniをエディタで開くと次のような項目があるはずです。

[pctcp ifcust 0]
;broadcast-address =
;ip-address =
;router =
;subnet-mask =
[pctcp addresses]
;domain-name-server = たぶんこのように書かれているところがあります。ここをご自分のルータのアドレスや、IPアドレスをご自分の環境に合わせて次の用に書き換えて下さい。また、domain-name-serverには、ご自分のプロバイダのDNSのアドレスを書いて下さい。 セカンダリDNSがあるばあいは、次の行に、同じように書いて下さい。例えばこんなかんじ
[pctcp ifcust 0]
broadcast-address = 192.168.1.255
ip-address = 192.168.1.3
router = 192.168.1.1
subnet-mask = 255.255.255.0
[pctcp addresses]
domain-name-server = 218.176.253.65
domain-name-server = 43.224.255.1
上のような自分の環境を書き込むのはめんどうだ、dhcpはないのかと言われる方もあるかもしれませんね。PC/TCPにもdhcp.exeが付属しています。でも、これなぜかルータとの相性があって、うまく動作しないときがあります。例えば、ISDNルータのMN128-SOHOシリーズで、ブロードバンドルータのプラネックス社のBRLシリーズではうまく動作しましたが、やまはのISDNルータのRTシリーズではうまく行きませんでした。 うまく行かないときは、手動で、固定のIPアドレスを上のように書けばもんだいありません。どうしてもDHCPが使いたければ、動作するルータを探すと言うことになります。また、上の方法のインストールでは、dhcp.exeはコピーされていないかもしれません。dhcp.exeをフロッピーなどから、手動でコピーして下さい。

さて、私が利用しているLANボードは同じくアライドテレシスの、LA-PCI-Tと言う者です。これはPCIに挿す者です。また、LANボードあるいはLANカードならばなんでもDOSで利用できると言うわけではありません。かならず「パケットドライバ」と言う者が付属している必要があります。 このドライバがないと、DOSで認識させることができません。また、このパケットドライバは、PC98シリーズ用、AT互換機用では違ってきます。アライドテレシス社のLANボードや、カードの場合は、最近はごく僅かですが、このパケットドライバが付属している者があります。そして、PC98シリーズ、AT互換機用の両方が付属します。 他のメーカですと、AT互換機用だけが付属することが多いです。この場合はもちろんPC98シリーズではNGです。もし、パケットドライバ付属のLANボードなどが買えない場合は、やはりオークションが良いと思います。ドライバ類は、メーカのWebからダウンロードできるはずです。

さて、話を、LA-PCI-Tに戻します。このボードの設定ですが LA-PCI-Tボードに付属してきたフロッピーで、NEC PC98x1用のなかにPDと言うディレクトリがあります。たいていこのように、パケットドライバはPDとか、PKT等パケットドライバだなと思えるディレクトリにあります。PDというディレクトリに lapci.com(これがパケットドライバです)というのがありますから、これを端末のハードディスクに copyして(例えばいまの場合は、a:\pctcp等)、autoexec.batを次のように書き換えて下さい。
set pctcp=a:\pctcp\pctcp.ini
a:\pctcp\lapci.com
a:\pctcp\ethdrv -e
これで全てのインストール、LANボードの設定は終了です。ping等を実行して、ネットワークに接続されているかどうかを確認して下さい。その後、wmail、vega等のDOS用のメーラ、ブラウザをインストールすれば全て終了です。

LANカードでの場合

カードPCMCIAを使うとなると、結構大変なことがあるかもしれません。ディスクトップの方が楽です。LANカードに限らず、ノートでPCMCIAカードを利用するとなると、「カードサービス」と言うソフトでまずカードを使えるようにしなければなりません。PC98シリーズのノートの場合、新品などで買った場合はもちろんこのカードサービスが付属しますが、中古で買った場合などではこのカードサービスをどうにか手に入れなければなりません。また、やっかいなことに、このカードサービスはPC98シリーズでの中でも機種依存があるようです。つまりどのカードサービスでも良いわけではないようです。 これからLANカードをインストール使用とするひとは、ドライブにcard等のディレクトリがあるかどうか確認して下さい。すでに、モデムカードや、スカジカードを利用されている場合には、カードサービスがちゃんと設定されています。この場合は、LANカードを挿すだけで問題ないと思います。 ただし、モデムカードや、スカジカードとIRQやIOアドレスが競合してしまうと、どちらかが使えなくなります。最初は、全てのカードを抜いて、LANカードを挿して試してみて下さい。カードは1枚ずつ使うのが無難です。どうしても2枚のカードを同時に認識させたければ、その後で、2枚のカードを同時に使えるようにいろいろとやってください(こうなると趣味の世界だと思うんですが)。 この辺は、私には書けません。もう面倒なことが多いし、経験が必要となります。1ぱつでうまく行くことはないでしょうね。

さて、カードサービスがインストールされていると、config.sysは次のようになっていると思います。なってなければ、変更して下さい。

device = a:\dos\emm386.exe /e=dc00-dfff /umb /highscan
DEVICEHIGH=a:\DOS\SSDRV.SYS
DEVICEHIGH=a:\DOS\CS.EXE
DEVICEHIGH=a:\DOS\CSALLOC.EXE a:\DOS\CSALLOC.INI
DEVICEHIGH=a:\DOS\CARDID.EXE a:\DOS\CARDID.INI

あとちょっと忘れがちなのですが、PCMCIAカードを認識させるには、emm386のオプションです。つまり、 /e=dc00-dfff これが必要です。他のメモリサーバの場合の記述は、すいませんが分かりません。

ここでは、同じくアライドテレシス社のLA-PCM-Tと、LA-PCM-T V3と言うカードを使えるようにします。まあカードサービスさえインストールできていれば、デスクトップとまったく同じです。 LA-PCM-tでは、LAPCMPD.COMが、LA-PCM-T V3には、LAPCM3PD.COMがPDと言うディレクトリにありますから、これをPCTCP等のディレクトリにコピーして、AUTOEXEC.BATを次のように書きます。
set pctcp=a:\pctcp\pctcp.ini
a:\pctcp\lapcmpd.com
ethdrv -e
これで、動作すれば問題有りません。うまく行かないときは、たぶんカードサービスのirqとおよびioアドレスと、カードのパケットドライバのirq、ioアドレスとが違っている可能性がほとんどです。また、他のカードが入っているので有れば、これとのIRQ等がぶつかっているんでしょう。パケットドライバのirq等の変更は、pdディレクトリ内のcfgpdと言う者を利用して変更して下さい。じみちな作業を必要とします。

PC98シリーズの内蔵LANボードを利用する方法

最近のNEC98のパソコンにはlanボードが付属していますね。これもPCTCPで使うことに成功しましたので、書かせていただきます。試したパソコンは、PC9821ra266、PC9821Xa200です。このLANボードを使うには以下のURLから次のものをGETしてください。
e100bpkt.zip
これはインテルのパケットドライバです。PC98の内蔵のLANボードはインテルのチップを使ってます。PC98版のパケットドライバを書いて下さった人がいらっしゃいました。 これをダウンロードして、autoexec.batに次のように書くだけです。 set pctcp=a:\pctcp\pctcp.ini
e100bpkt.com 0x60
ethdrv

これで認識すると思います。もちろん外付けのPCIのインテルのイーサーエクスプレスプロでも利用できました。

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