盲聾社へのパソコンサポート

 最近「盲聾者の人にパソコンを教えてくれませんか?」とお願いされます。世の中には視覚も聴覚もないひとがたくさんいます。 その度合いも様々で、なんとか少しは見えるが、聴覚は全くない人、あるいはこの逆で、補聴器を使えばなんとか聞こえるが視力が全くないひと。また、視力も聴覚もまったくないひとなどです。 私がパソコンを教えてくれませんか?と言われるのは多くが3番目の人です。

さて、上のような人たちがどのようにパソコンを使って文字を書いたりメールをやり取りしたり、またWebを読んだりするかですが、 まず聴覚の度合いにもよりますが、ここでの対象は「音声でパソコンを使うことができない」と言うことに前提します。そうなると 「点字を使ってパソコンの情報を読む」と言うことになります。 「もし点字も読めない人はどうするんですか?」と言うこともあります。 この質問に対する答えは「点字をまず覚えて下さい。」と 言うしか私は思いつきません。これは私の勉強不足もあると思いますが、 視力もない、聴覚もないとなるとパソコンとの間のコミュニケーション手段は「点字」しか思いつきません。 ここで誤解してほしくないことは「あくまでもパソコンとのやりとりには点字です。」と言うことです。 普段の人とのコミュニケーション手段は点字を使わなくても手話を使ったり(これは手話を実際に触って読みとりをするのですが)、手のひらに文字を書いたり、指点字等の手段があります。 ここではあくまでもパソコンとのやりとりには点字を使うしかないと言うことです。

さて、点字を使ってどうやってパソコンを使うか?また、どんなOSが的確なのかです。繰り返しになりますが、ここでは点字を使ってでしかパソコンとの やり取りができないとします。 まず私の結論ですが、「現在の状態では、点字のみでパソコンを使うにはOSとしてはDOSを使う」です。 この私のWebsiteを前からご贔屓にしてくださっている皆さんは「やっぱりな」、「ほら出た」と言われるかもしれません。 また今回初めて読んで下さった皆さんは「なにいまさらDOSなの?Windowsじゃあだめなの?」と 思われるはずです。ではどうしていまの時代に逆行してDOSを使うことを主張するのか私の意見を 次に書いて行きたいと思います。

Windowsの欠点

まず、盲聾者の人がWindowsを使うとしたときに実際に遭遇した問題点を書いて行きたいと思います。

スクリーンリーダの貧弱性
Windowsのスクリーンリーダの開発で苦労されている人たちをよくしっているのであまり書きたくはないのですが、とくに点字ディスプレイへ 出力させると言うことに関してはよくありません。点字ディスプレーだけでWindowsを使いこなすと言うことになると ほぼ不可能にちかいと思います。よくWindowsのスクリーンリーダのカタログを見て、「これは点字ディスプレー対応だと書いて有るよ」と あまりこの辺の事情を知らない人から言われます。たしかにこれは無理もないはなしでして、カタログにそのように書いて有るので点字ディスプレーのみで使えると 思うでしょう。しかし、早い話Windowsのスクリーンリーダの「点字ディスプレー対応」と言うのは、音声をつかってWindowsを操作するときに、点字も出てくれるとたすかるなと言う 程度の助けにしかならないと思っていて下さい。例えば、点字も出力して使っていたとしても、ある操作になると音声はでるけど点字が出ないとか、一瞬点字でメッセージを出力するけど、すぐに点字がディスプレーから消えてしまう(確認をする間もなくです)などがあります。 ですから、「点字ディスプレイ対応」と言うカタログの文句は、Windowsのスクリーンリーダに関しては「音声と併用して点字もだすことができます」と解釈して下さい。
ちょっとのミスタッチでタスクが変わってしまう
これはWindowsのスクリーンリーダの欠点と言うより、Windowsの特徴である、マルチタスクがかえってつかいにくくしていると言うことです。 視覚障害者、盲聾者がWindowsを使うときはマウスが使えないので全てキーボード操作で行います。 しかし、例えば、メモ帳で文字を入力していたとします。でも、間違って他のキーを押してしまったとします(例えばWindowsキーとか)。 するといま編集していたメモ帳が隠れてスタートメニューが出てしまいます。これは音声だとすぐに「スタートメニュー」と発声するので、音声では分かりますが、点字ディスプレイの表示は変化せず、まだ先ほどのメモ帳での書き込みの文字を出力しているままであったりすることがあります。 ですから、点字ディスプレーだけを頼りにしている盲聾者には、ミスタッチでWindowが変化したことが認識できません。 同じマルチタスクのUNIXではミスタッチでタスクが切り替わると言うことは起こりにくい設計になっています。
ハードディスクのアクセス音が分からない
これはスキャンディスクなどがかかっているときは「がらがらがら」とHDDのアクセス音がします。ですから音声でパソコンを使っている人は「あ、いまなにかHDDにあくせすしているな、だからもうすこしなにもしないでようすを見てみよう」と思うことが可能です。 でも盲聾者の人にはこの判断は不可能です。スキャンディスクがかかっているときは点字ディスプレイにはなにも表示されません。もちろん音声でも「スキャンディスクをしているからもうちょっと待っててね」のようなメッセージは出ません。 音声で使っている人たちは、上でも書きましたがHDDへのアクセス音でこれを判断しています。というか、いまHDDになにかやっているからちょっと待ってみようと判断しているのです。
Windowsのインストールが自力でできない
Windowsは視力が無ければインストールができません。つまりOSのインストールは視力がなければ不可能です。 よくWindowsはこけるくせに自分でOSの復旧ができないのは致命的です。これは視覚障害者にとっても同じ事です。 それに反しDOS、PC-UNIX(FreeBSD、Linux、Solaris)等は自力でインストールができます。点字ディスプレイのみでもインストールはちょっとたいへんですが可能です。この自分でOSのインストールができる と言うことは、めったにOSの再インストールと言うことがないにしろ、パソコンを使っている上でかなり大切なことです。

とざっと思いつく範囲、実際に遭遇したことを書くと上のような状況です。 「きみはWindowsの悪口ばかりかいているけど、良いところはないの?」と言っている人もいると思いますが、「ありません!」、 少なくとも点字ディスプレイだけでWindowsを使うことにかんしてはなにも良いことはありません。ではDOSでどのような環境を整えれば良いでしょうか?

点字ディスプレイのみで使うDOS環境について

では点字ディスプレイだけでDOSを使うにはどのようなソフトを集めて、環境を整えれば良いのでしょうか? 「確かにDOSでは文字を書いたりするのはWindowsより軽快でよいけど、DOSだとインターネット接続はできないんじゃないの?」と言われることがあります。 結論から言って、これは「違います!」。立派にEmailやWebsiteの閲覧、検索が可能です。ISDNやもちろんいま主流となってきたADSLやCATV、光ファイバのブロードバンドにも接続できます。たしかに、Windowsをインターネットへ接続するのは 簡単ですが、DOSでも問題なく繋がります。それでは私が推薦する点字ディスプレイのみで使うDOS環境を書いて行きたいと思います。

パソコンはNECのPC9821
いまとなってはクラシックとなってしまいました。確かに手に入り難いです。中古で買うしか方法はありません。でも 視覚障害者や、盲聾者の人がDOSを使うとなるとこれがいちばん良い機種です。中古ショップでもNECの98シリーズは陰を消し始めていますが、以下のSITEにはまだそれなりにあると思います。
マイコンショップ川口
ここのWebはテキストブラウザでも読みやすいシンプルな作りです。注文は電話で行います。さて、ここでちょっと注意して欲しいのは中古で買おうとしている NECのパソコンで、ディスクトップでの話ですが、PCIのスロットが付いているものを買いましょう。これはなぜかと言いますと、DOS上で使える現在販売されているLANボードはPCIでないと手に 入らないと言うことです。NECのパソコンには昔からNEC独自のCバスと言うスロットがありました。でもCバスのLANボードは現在販売されていません。ですのでこのLANボードがささらないことにはインターネットへの接続は不可能です(もでむでやるもんねと言う人は別ですが)。もし手元にCバスのLANボードがある、あるいは中古などで手に入ると言うことでしたら PCIでなくてもだいじょうぶです。PC9801と言う古い物でも十分にインターネットへ接続できます。実は私のところではCバスのLANボードを使っています。また、Cバスでしか使えないパソコンに備えて何枚かストックしています。 と言うことでこれが注意点でした。PCIのLANボードでDOSで使えるものは後で書きます。 また、PC98シリーズのノートパソコンでも問題有りません。これをインターネットへ接続するにはPCMCIAのLANカードを挿して使います。ただ、これも注意したいことがあります。いくらカードを挿すところが有っても、古い機種ではLANカードが認識できないことがありました。私が経験したものはNEC PC9801NS/AではLANカードが認識しませんでした。どうもこれはNECのノートで、カードが使えるようになったときの 最初の機種だったようで、カードのソケットのバージョンが古いようです。ですから、ノートでLANカードを使うときには 9821くらいの機種を使えば問題ないはずです。ただ、注意して欲しいことがあります。 NECのノートパソコンでPCMCIAカードを認識させるには、機種専用のカードサービスと言うソフトが必要です。これがないとカードを 認識してくれません。挿せばすぐに使えるものではないのです。このソフトはまだNECで販売されていると思います。 PCMCIAのDOSようのLANカードについても後で書きます。
DOSのスクリーンリーダは?
DOSで使うためのスクリーンリーダとしてはグラスルーツと言うものが一押しです。 これはほとんど有名な点字ディスプレイに対応しており、点字表示は完璧です。そしてなによりフリーソフトです。音声で使うにも完璧なものです。以下の所からダウンロードできます。
EXTRA GR VEGA OSWの最新情報
MS-DOSや漢字変換ソフトは
NECのPC98シリーズで使えるMS-DOSはver6.2が最新バージョンです。また、漢字変換ソフトはATOK8です。これらも手に入ります。アクセステクノロジーさんで販売しています。
ACCESSTECHNOLOGY'S HOMEPAGE
点字ディスプレイについて
点字ディスプレイですが、やはり一押しはALVA社のABTシリーズです。現在ABT satellite544 satellite570です。これはオランダの会社のものです。ここのWebsiteは
ALVA Homepage
日本ではJTRと言うところで代理店をしていますがここのWebsiteが見つかりません。もし連絡先をお知りになりたければ私にメール下さい。 国産の点字ディスプレイでももちろん問題有りません。国産ではKGS社のブレールノートがあります。KGS社のWebは
KGS HomePage
しかしぼくはALVA社のがお勧めです。それは、点字ディスプレイの表示の速度が速い、点字の点がクリアに表示される、行を変えたときの表示の移り変わりが素早いと言うことが上げられます。

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